とも座 (Puppis) 探し方・見つけ方 とも座は、船の「艫(船の後ろ部分)」にあたる部分が描かれている、主に南半球で見ることができる南天の星座です。 日本からでも、星座の一部分なら本州から見ることができますが、伊豆半島辺りから南だと、星座全体の姿を見ることができ、とも座は、冬の星座としてとらえられることもあります。 さて、とも座の探し方ですが、おおいぬ座の東、天の川が南の地平線へ隠れるあたりを探してみます。 おおいぬ座には、全天で最も明るいシリウスが輝いているので、すぐに目に付くと思います。 この辺りに、細長い五角形のような形で描かれているのが、とも座です。 しかし、とも座には、2等星のζがあるだけで、全体の姿はとらえにくいと思うので、上の星座図などを参考にして、形をたどってみてください。 概要 とも座は、元々、りゅうこつ座、ほ座、らしんばん座と共に、「アルゴ座(アルゴ船座)」という大きな星座の一部でした。 アルゴ座自体は、冬の大三角形とみなみじゅうじ座、そして、大マゼラン雲に囲まれたとても大きな星座でした。 この為、星の位置を示すのに不便なことから、やがて四つの星座に分けられるようになりました。 現在のように分割したのは、フランスの天文学者・ラカイユと言われていて、彼は、ぼうえんきょう座やレチクル座、コンパス座、じょうぎ座などもつくっています。 とも座にはいくつかの星団がありますが、その中のひとつ、M46は散開星団で、隣にあるM47と共に二重星団と呼ばれることのある星団です。 この星団の中には、NGC 2438という惑星状星雲がありますが、この盛運は小型の望遠鏡でも眺めることができます。 一方の M47は、M46よりは明るく、星が散在して見えます。 ところで、とも座には、ζ、ν、ξ、π、ρ、σ、τの星はありますが、αやβの星はありません。 これは、元のアルゴ座が四つに分割された時、バイエル記号がそのまま引き継がれたためです。 神話・伝説 とも座は、新しく設定された星座なので神話や伝説は伝わっていませんが、元のアルゴ座はギリシャ神話に基づくもので、これは「アルゴ遠征隊の冒険物語」として伝えられています。 その物語によると、イオルコスの王・アイソンの息子・イアソンは、訳あって、王位を継ぐために、コルキス国にある黄金の羊の毛皮を取りに行くことになります。 その遠征のために、巨大船・アルゴ号を作りますが、これが、アルゴ座になっています。 イアソンの元には、ギリシャ神話の英雄・ヘルクレス(ヘルクレス座)や医術に長けたエスクラピウス(へびつかい座)、双子の勇者・ポルックスとカストル(ふたご座)など、50人の優れた者が集まり、アルゴ号に乗り込みます。 遠征隊は様々な冒険をしながらコルキス国にたどり着きますが、詳しい内容は、「アルゴ遠征隊の冒険物語」を参考にしてください。 ところで、アルゴ号は旅の途中、シンプレガーデスの瀬戸(ダルダネルス海峡とも言われています)を通りかかりますが、ここは両岸から岩がせり出し、しかも、岩は閉じたり開いたりして、船を噛み砕こうとする難所です。 どうにかアルゴ号はここを切り抜けますが、そのとき船尾をちぎられてしまい、古い星座図などには、船尾が大きな岩に隠れている様子で描かれています。 「アルゴ遠征隊の物語」へ このページの先頭へ |
らしんばん座
・ほ座・
りゅうこつ座・
がか座
・はと座・
おおいぬ座
・うみへび座