星座図鑑・らしんばん座

らしんばん座


      
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△上の図は昇る頃 (1月上旬21時頃・11月中旬0時頃・9月下旬3時頃、シドニー近郊)

拡大図
       

名 称 らしんばん
学 名 Pyxis
略 符 Pyx
概略位置 赤経・8h50m / 赤緯・-28°
概略面積 221平方度
20時南中 3月31日
南中高度 約28°
設定者 ラカイユ
隣接する星座 うみへび座・
とも座・
ほ座
・ポンプ座

らしんばん座 (Pyxis)

探し方・見つけ方
らしんばん座は、南半球の星座としてとらえられることもありますが、冬の星座とされることもある星座です。
冬の終わり頃、とも座と一緒に南の空に輝く星座で、本州でも、その全体像を見ることができます。
しかし、地平線近くに見えるので、できれば空の暗い開けたところや、南の地方の方が見やすくなります。

らしんばん座の探し方ですが、らしんばん座を探すには、まず、とも座を探し出してみます。
とも座は、シリウスのある、おおいぬ座の南東にあって、歪んだ五角形のような形をしています。
この、とも座の東隣り、とも座にくっつくように見えるのが、らしんばん座です。

とも座も形をとらえにくい星座なのですが、らしんばん座も、3個の4等星からできているので、見つけにくい星座です。
小さくて暗い星座ですが、天の川の中にあるので、大体の見当をつけたら、上の星座図などを参考にして、形をたどってみてください。


概要
らしんばん座は、1756年、フランスの天文学者・ニコラ・ルイ・ド・ラカイユによって、新しく設定された星座です。
航海に使う「羅針盤」が描かれている星座ですが、元は、りゅうこつ座ほ座、とも座と共に、大きな「アルゴ座(アルゴ船座)」としてとらえられていました。

アルゴ座はギリシャ神話に基づく古い星座で、冬の大三角形と大マゼラン雲、そして、みなみじゅうじ座に囲まれた領域にある大きな星座でした。
しかし、あまりに大きすぎで、星の位置を示すのに不便なため、やがて四つに分割されるようになりました。

現在のように分割したのはラカイユで、かつては「ほばしら(帆柱)座」であったところに、改めてらしんばん座を設定しました。
りゅうこつ(竜骨)、とも(艫)、ほ(帆)など、いずれの星座もアルゴ座に基づく船に関するものですが、ラカイユは、レチクル座はちぶんぎ座コンパス座なども設定しています。

また、らしんばん座は、小さくて暗い星座ですが、この辺りは天の川になっているので、双眼鏡で眺めるととても綺麗で、時間の経つのも忘れるほどです。


神話・伝説
らしんばん座は、ラカイユによって新しく設定された星座なので、神話や伝説などは伝わっていません。
しかし、元にあったアルゴ座は、ギリシャ神話に基づいた星座で、その物語は「アルゴ遠征隊の物語」として伝えられています。

その物語は、イオルコスの王・アイソンの息子・イアソンが、訳あって、王位を継ぐために、コルキスの国にある黄金の羊の毛皮を取りに行くことからはじまります。
この黄金の羊の毛皮は、おひつじ座のモデルになっているもので、この羊の毛皮を手に入れるため、イアソンは大遠征隊を整えます。

ギリシャ神話の英雄・ヘラクレス(ヘルクレス座)や双子の勇者・カストルとポルックス(ふたご座)、医術に長けたエスクラピウス(へびつかい座)、トロイの勇者・アキレウスの父であるペーレウスなど、50人の優れた者がイアソンの元に集まります。
彼らは「アルゴ号」という大きな船に乗って旅に出かけますが、この船が、アルゴ座のモデルになっています。

遠征隊は様々な冒険の後、コルキスの国にたどり着きますが、イアソンは、ここで王女・メディアの力も借りて、黄金の羊の毛皮を手に入れることができます。
その後、遠征隊は無地にギリシャに帰ることができますが、詳しいことは「アルゴ遠征隊の物語」を参考にしてください。

「アルゴ遠征隊の物語」へ

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