こと座 (Lyra) 探し方・見つけ方 夏の夜空に輝くこと座は、紀元前1200年頃には既に知られていた古い星座で、古代ギリシアの竪琴の姿が描かれています。 小さくまとまった星座ですが、北の空に位置しているので、時間を問わなければ、一年を通して夜空のどこかで見ることができる星座でもあります。 さて、こと座の探し方は、夏の星座の中ではもっとも明るく輝いているα星のベガで、ベガは「夏の大三角形」を形づくっている星のひとつです。 日本では七夕の「織姫星」としてよく知られている星なので、すぐに見つけることができると思いますが、ベガは天の川から少し離れた西側に位置しています。 ひときわ白く輝いていて、日本ではほぼ天頂を通っていくので、間違えることはないと思いますが、このベガの近くに四つの星が小さな平行四辺形を描いています。 この部分が竪琴の弦にあたり、3等星と4等星からできていますが、空の暗いところなら、よく目に付く形をしているので見つけやすいと思います。 概要 こと座の1等星・ベガは、全天でも5番目に明るく輝いていて、はくちょう座のα星・デネブ、わし座のα星・アルタイルと共に夏の大三角形をつくっています。 ベガは天の川の西側にあり、少し離れていますが、アルタイルは天の川の近く、東側にあります。 そして、このふたつの星よりも北側に位置していて、天の川の中にあるのがデネブです。 この三つの星の中でも、ベガはひときわ明るくて、実視等級は0.03等とされています。 ベガは星の明るさを測る基準ともなっている星で、デネブとアルタイルは、ベガよりも少し暗い1等星です。 ところで、ベガの近くにあるε星は「ダブル・ダブルスター」などと呼ばれている、興味ある天体として知られています。 ε星は、一見するとひとつの星に見えるのですが、双眼鏡で見ると二重星であることが分かります。 しかし、小型の望遠鏡で観察すると、それぞれが更にふたつの二重星になっているという、おもしろい天体です。 また、β星のシェリアクは変光星であることが知られていて、ζ星は4等星と6等星からなる二重星で、双眼鏡を使うと見分けることができます。 この他、β星とγ星のほぼ真ん中辺りには、リング状星雲と呼ばれるM57が位置しています。 この星雲は惑星状星雲のひとつで、小型の望遠鏡でも案外簡単にとらえることができます。 神話・伝説 こと座は、古い星座なのでギリシア神話などにその物語が伝えられていますが、こと座のモデルになっているのはオルフェウス(オルペウス)が弾いていた竪琴だとされています。 オルフェウスは女神・カリオペとトラキア王・オイアゲロスとの間に生まれましたが(太陽神・アポロンの息子とも言われています)、琴の名手として知られていました。 彼には美しい妻・エウリディケがいましたが、ある日、毒蛇に噛まれて死んでしまいます。 オルフェウスはこれを悲しみ、死者の国へ行きエウリディケを探し出しますが、終には地上に連れ戻すことができず、悲しみの中に亡くなったとされています。 大神・ゼウスはこれを哀れみ、彼の竪琴を星座にして、天に昇らせたのがこと座だと伝えられています。 「こと座の神話」へ このページの先頭へ |
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