やぎ座の神話・伝説 |
パーンとシュリンクス (ニコラ・プッサン) やぎ座になっているは、羊飼いの神・パーンの変身しそこねた姿がモデルだと言われています。 この絵では、両手を広げたパーンが、美しいニンフ・シュリンクスを追いかけているところが描かれています。 |
羊飼いの神・パーン やぎ座は黄道十二星座のひとつにもなっていて、いて座の東隣りに位置しています。 三等星以下ばかりの星座ですが、もっとも古い星座のひとつで、逆三角形のような形をしています。 さて、やぎ座の神話ですが、ギリシャ神話では、羊飼いの神・パーンの変身しそこねた姿だと伝えられています。 ある日、天上の神々はオリンポスから降りてきて、ナイル川の畔で宴会をしていました。 太陽と音楽の神でもあるアポロンは琴を弾き、音楽の女神・ミューズたちが舞い踊るという華やかな宴会です。 ところが、宴もたけなわというとき、突然として怪物・テュフォン(ティポン)が現れます。 テュフォンは、大地の神・ガイアが、自分の一族などをゼウスが地下へ閉じ込めてしまったことを恨んで、復讐のために生んだ怪物です。 頭は100個もあり、口からは火を吹き、体は蛇と竜を合わせたような姿です。 宴会を楽しんでいた神々は、大きな唸り声を上げて現れたテュフォンを見て、あわてて逃げ出します。 大神・ゼウスはたちまち鳥になって天空へと舞い上がり、他の神々もそれぞれに姿を変えて逃げ出します。 その中で、愛の女神・アフロディア(ビーナス)とその子エロス(キューピッド)は魚の姿になってナイル川に逃げ込みます。 このふたりの姿が、うお座になって描かれていると伝えられていますが、みなみのうお座も、太陽の神・アポロンが魚になって逃げた姿だと言われています。 その中で、一番あわてたのが羊飼いの神・パーンです。 パーンは急いでナイル川に飛び込んだのですが、急ぐあまり、下半身は魚、上半身は山羊のままという姿になってしまいました。 後に、神々はこの姿を喜んで、この時の記念にと、パーンの姿を星座にしたのだと言われていますが、神話ではその後、大神・ゼウスがテュフォンを退治します。 ゼウスは再び取って返し、いかずちを手に取りテュフォンに向かいます。 ゼウスが投げたいかずちにテュフォンが怯んだ隙に、ゼウスは山ほどもある大きな岩を投げつけ、テュフォンを岩の下に閉じ込めてしまいます。 このような物語がギリシャ神話に伝えられていますが、ゼウスが投げつけた岩は、シチリアのエトナ山になったとも言われています。 そして、エトナ山が時々噴火するのは、テュフォンが地下で暴れているからだとも言われています。 このページの先頭へ |