星座図鑑・いて座

いて座


       
※何も表示されていない画面をクリックすると、すべての内容が拡大表示されます
△上の図は昇る頃 (8月中旬21時頃・6月下旬0時頃・5月中旬3時頃、東京近郊)

拡大図
         

名 称 いて
学 名 Sagittarius
略 符 Sgr
概略位置 赤経・19h00m / 赤緯・-25°
概略面積 867平方度
20時南中 9月2日
南中高度 約26°
設定者 プトレマイオス
隣接する星座 わし座
・たて座
・へび座・
へびつかい座
・さそり座・
みなみのかんむり座
・ぼうえんきょう座・
けんびきょう座
・やぎ座・インディアン座

いて座 (Sagittarius)

探し方・見つけ方
夏の宵頃、南の空によく見えるいて座は、もっとも古くから知られている星座のひとつで、太陽の通り道である、黄道12星座のひとつにもなっています。
プトレマイオスの48星座のひとつにもなっていて、弓を番えている半人半獣の姿で描かれています。

いて座は、天の川が明るく輝いている幅の広いところに位置していますが、いて座の探し方は、さそり座を頼りにして探し出すのが簡単な方法だと思います。
さそり座には、赤くて明るく輝く1等星・アンタレスがあります。
このアンタレスを挟んで「S」字のような形で星が並んでいるのが、さそり座で、夏の代表的な星座になっています。

このさそり座のすぐ東隣にあるのが、いて座で、小さなひしゃくの形で、6個の星が並んでいるところがいて座です。
この6個の星は「南斗六星」と呼ばれていますが、ひしゃくの柄の先に位置している星は、暗いので少し見つけづらいかもしれません。
しかし、上の星座図などを参考にして形をたどるようにすれば、いて座全体の姿が浮かび上がってくると思います。

また、いて座の星の並びを「ティーポット」と呼ばれている形に結ぶのも、いて座を探す目印になると思います。
天の川がもっとも輝いているところに注目して、上の星座図などを参考にしてティーポットを描くと、意外と簡単に見つけることができます。


概要
いて座は、夏の天の川のもっとも明るいところにありますが、これは、いて座の方向に銀河系の中心があるためです。
その為、この方向にはたくさんの星や星雲、星団などがあって、いて座は眺めていても飽きることのない星座のひとつです。
特に、双眼鏡や小型の望遠鏡などで眺めると、実に美しい光景を楽しむことができます。

その中のひとつ、南斗六星の先にある「干潟星雲」とも呼ばれているM8は、夜空の暗い所なら肉眼でも見ることのできる散光星雲で、もっとも明るく輝いている星雲のひとつです。

その近くにあるM20は赤く輝いていますが、この星雲は「三裂星雲」と呼ばれる珍しい星雲で、この星雲の中を暗黒星雲が横切っていて、M20を三つに引き裂いているように見えることから三裂星雲と呼ばれています。
また、M20のすぐ北には青っぽく輝く星雲もあって、赤と青に輝く姿が印象的です。


神話・伝説
いて座は古くからある星座なので、ギリシア神話などにもその物語が伝えられています。
弓を番えている半人半獣の姿で描かれていて、その弓は、さそり座の心臓・アンタレスを狙っているようにも見えます。

このモデルについては諸説ありますが、一説では、ケンタウルス族のキロン(ケイロン)だと言われています。
キロンは時の神・クロノスを父にもつ人物で、医術の他、音楽や哲学、占星術など、あらゆる学術に長けた人物で、女神・アルテミスからも狩猟の術を学びました。

キロンは優れた人物であることから、多くの人たちが彼の元に教えを受けに訪れ、後にはギリシア神話の英雄・ヘルクレスにも弓の技を教えました。
しかし、訳あって、キロンはヘルクレスが放った矢にあたって亡くなってしまいます。
神々はこれを悲しみ、天に上げたのがいて座だ伝えられています。

また、ケンタウルス座もケンタウルス族がモデルになっていますが、こちらのモデルはフォーラスだと言われています。

「いて座の神話」へ

このページの先頭へ


このページの先頭へ