かみのけ座の神話・伝説 |
ベレニケの胸像 かみのけ座のモデルは、ギリシア神話に伝わるベレニケ王妃の髪の毛がモデルだと言われています。 この胸像は作者、年代などは不明ですが、ベレニケ王妃だとされています。 |
ベレニケ王妃の髪の毛 かみのけ座は、春の夜、天頂付近に見える星座です。 北斗七星とうしかい座、しし座、おとめ座に囲まれるように輝いています。 かみのけ座は、星座のほとんどが散開星団からできていて、中心は、およそ40個ほどの星からできています。 ギリシャ時代には知られていた星座ですが、一度忘れられていて、チコ・ブラーエが1602年に再び取り上げた星座です。 しかし、かみのけ座についてはギリシャ神話の物語の中に見られ、美しい髪の毛をもつ王妃・ベレニケがモデルだと言われています。 ベレニケは、当時はギリシャの支配地だった北アフリカのキュレネの生まれで、エジプトを治めていたプトレマイオス三世の王妃です。 ベレニケは美しい女性で、プトレマイオスも国をよく治め、「エウエルゲデス善行王」という名前でも呼ばれていました。 しかし、プトレマイオスは長い間シリアと戦いをしていて、苦しい戦いの後、敗北を期してしまいます。 この知らせを聞いたベレニケはひどく心配しますが、どうすることもできません。 ベレニケは女神・アフロディア(ビーナス)の神殿へ赴き、夫の無事を祈ります。 この祈りは、「もし夫が無事に帰ってくることが出来れば、わたしは髪の毛を切って神殿に捧げます」という、誓いでもありました。 ベレニケの祈りもあり、プトレマイオスは反撃に出て、大きな勝利を得ることができます。 この知らせを聞いてベレニケはとても喜びましたが、すぐに神殿へ出かけ、美しい長い髪の毛を切り落とし、誓いの通りアフロディアへ捧げます。 さて、シリアとの戦いに勝利したプトレマイオスが凱旋してみると、あの美しかったベレニケの髪の毛が切り落とされています。 驚いたプトレマイオスはベレニケに訪ねますが、自分の無事を祈って髪を落としたことを聞くと、その深い愛情に改めて感動します。 そして、プトレマイオスはベレニケを伴い、感謝の気持ちを伝えるため、アフロディアの神殿へと向かいます。 ところが、神殿に着いてみると、ベレニケが捧げたはずの、あの美しい髪の毛はどこにも見当たりません。 さて、その夜のことです。 ひとりの天文学者(コノンとも言われています)が星々を観測していると、天頂近くにある星が、大変明るく輝いていることを発見します。 この報告を聞いたプトレマイオスは、アフロディアがベレニケの行いを認め、その美しい髪の毛を天に上げてくれたことを知ったと伝えられています。 このようにギリシャ神話では伝えられているので、チコ・ブラーエがこの星座を採用したときも、かみのけ座として取り上げたのだとも言われています。 このページの先頭へ |