かに座の神話・伝説 |
ヘラクレスとヒドラ (アントニオ・ポッライオーロ) かに座のモデルは、ギリシア神話に伝わるヘラクレスと怪物・ヒドラの戦いの中に登場する大蟹がモデルになっています。 この絵では、獅子の皮をまとったヘラクレスとヒドラとの戦いの様子が描かれています。 |
英雄ヘルクレス(ヘラクレス)に挑んだ大蟹 春の夜空を見上げると、ふたご座としし座の間に、かに座を見ることができます。 あまり目立たない星座ですか、カニの甲羅にあたるところには、プレセぺ星団がボーっと見えるので、これに見当をつけて探し出すことができます。 かに座にまつわる神話は、ヘルクレスの物語と一緒にギリシャ神話の中で語られていますが、それは、ヘルクレスが怪物ヒドラと戦った時のものです。 ヘルクレスには十二の冒険が課せられますが、そのひとつが、九つの頭をもつヒドラの退治でした。 ヒドラは、レルネアの谷の泉に棲んでいて、毒を泉の水に流しては、人々を困らせていました。 ヘルクレスはレルネアの谷に向かい、ヒドラ退治に奮闘します。 さて、ヘルクレスは、九つあるヒドラの首を剣をふるって切り落としますが、いくら切っても首は次から次へと生えてきて、ヒドラは一向に死ぬ様子がありません。 これにはヘルクレスもうんざりするのですが、この時出てきたのが、かに座になっている大蟹です。 しかし、この大蟹はヘルクレスを助けるのではなく、なんと、ヒドラ退治の邪魔をしようと、大きなハサミでヘルクレスの足を挟んでしまいます。 怒ったヘルクレスは、足を上げて踏み潰してしまいます。 この潰されてしまった大蟹が、かに座になっているのですが、あっさりとつぶされてしまった大蟹が、どうして星座になっているのでしょうか。 実は、ヘルクレスがあまりにも強いので、これを嫌ったヘラが、ヘルクレスの邪魔をしたカニを褒めてやり、星座にしてやったと伝えられています。 また、大神・ゼウスの妻であるヘラは、ゼウスとミケーネ王妃・アルクメネーとの間に生まれたヘルクレスを憎んでいたので、この大蟹は、ヘラが使わしたものだとも言われています。 ところで、その後のヒドラ退治の顛末については、「うみへび座の神話」で紹介しているので、そちらを参考にしてみてください。 もちろん、ヘルクレスもヘルクレス座になっていて、彼の冒険は「しし座の神話」や「りゅう座の神話」などにも伝わっています。 このページの先頭へ |