いっかくじゅう座の神話・伝説 |
一角獣 (ギュスターヴ・モロー) いっかくじゅう座のモデルは、ユニコーンとして知られている空想上の動物がモデルになっています。 この絵では、湖畔の森で女性たちと戯れているようなユニコーンの姿が描かれています。 |
幸福をもたらすユニコーン 冬の夜空を飾るオリオン座の東に、いっかくじゅう座という星座があります。 かなり大きな星座で、冬の大三角形の中に見えるのですが、四等星ばかりの星で描かれているので、形は少しつかみにくいかもしれません。 さて、いっかくじゅう座にまつわる神話ですが、それはギリシャ神話よりも古い伝説に基づいています。 一角獣はユニコーンとして知られている空想上の動物ですが、いつの頃に生まれた伝説かは定かではありません。 中世のヨーロッパでは、絵画などにもしばしば描かれていますが、ずっと古い、アッシリアの遺跡にもその姿が描かれています。 伝説によると、体は馬のようで、額には長い一本の角が生えていて、東方の国に棲んでいるとされています。 一角獣は大いなる幸福をもたらす動物とされ、その角は、どんな病気も治してしまうと信じられていました。 しかし、誰もが幸せを手に入れようと、この一角獣を捜し求めましたが、決して見つかることはありませんでした。 一角獣は、心の清らかな、優しい乙女しか見ることができないとも言われていて、やがて伝説となって星座になったと伝えられています。 この星座は、1624年にドイツのバルチェウスが新設した星座で、後にヘベリウスが採用してから、広く知られるようになりました。 一角獣は、一説ではサイと言われているほか、サイの角だけがヨーロッパに持ち込まれ、これがユニコーン伝説になったのだろうとも言われています。 また、アフリカやアラビアなどにいるオリックスという動物の角は、二本あるのですが、横から見ると一本に見えるので、これがユニコーンのモデルだとも言われています。 あと、「イッカク」と呼ばれる動物がいるのですが、それは小型クジラの仲間で、雄の上顎の歯の一本が角のように長く伸びて、その長さが2mを超えることもあります。 このイッカクもユニコーンに見立てられたことがあって、その角のような長い歯だけを見れば、昔の人がユニコーンを信じたことも分かるように思います。 このページの先頭へ |