星座図鑑・ふたご座の神話・伝説

ふたご座の神話・伝説











レウキッポスの娘たちの略奪 (ルーベンス)

ふたご座のモデルは、ギリシア神話に登場する双子の兄弟・カストルとポルックスだと伝えられています。

この絵では、兄弟がレウキッボス王の娘たちを妻にしようとさらってきた場面が描かれています。

双子の兄弟・カストルとポルックス

ふたご座は左右対称の端正な星座で、黄道十二星座としてもよく知られています。
冬の夜空に、東から起き上がるようにして昇り、立ちあっがっている姿で西の空へと沈んでいきます。

ギリシャ神話にまつわるふたご座の伝説ですが、この星座はカストルとポルクッスという、武勇に優れた双子の兄弟の物語に基づいています。

この双子の誕生は、やはり大神・ゼウスに関係していて、ゼウスとスパルタの王妃・レダとの間に誕生します。
レダは大変美しい女性で、これに魅せられたゼウスは、白鳥の姿になってレダの元に舞い降りていきます。

レダはその後ふたつの卵を産みますが、そのひとつからは双子の姉妹、トロイのヘレンと、後にトロイ戦争の時のギリシャの総大将・アガメムノンの妻となったクリュテムメストラが生まれました。

そして、もうひとつの卵からは、双子の兄弟、カストルとポルクッスが誕生し、この兄弟が、冬の夜空にふたご座となって描かれることになります。
また、レダの元に舞い降りた時の白鳥の姿は、夏の夜空に輝く、はくちょう座になっていて、そのあたりのことは、はくちょう座の神話で紹介しています。

さて、カストルとポルックスは共に武勇に優れ、カストルは剣の名人、ポルックスは馬術に優れ、カストルは普通の人間でしたが、ポルックスはゼウスの血を引き不死身の体を持っていました。
双子の兄弟はいつも一緒に戦場を駆け巡り、多くの戦功を立てていました。

アルゴ号の遠征隊にも参加し、ポルックスはビチュニアの王・アミュコスをも打ち負かし、双子の兄弟は誉れ高い英雄でもありました。

後にはメッシナのイダス兄弟とも戦い、この戦いにも大きな勝利を治めます。
しかし、この時カストルは流れ矢に当たって、命を落とすことになってしまいました。

いつも一緒にいた弟のポルックスは深く悲しみ、兄の死を耐え難いものとして、受け入れることができません。
ポルックスは大神・ゼウスに祈り、強く懇願しました。

「わたしたち双子の兄弟はいつも一緒にいて、戦場でも共に戦いました。兄ははかなくも亡くなってしまいましたが、わたしは不死の身である為に、死ぬことはできません。兄とは生まれた時が一緒なのですから、死ぬ時も一緒でありたいと思っていました。ですから、どうかわたしの不死を解いていただけないでしょうか」

大神ゼウスは、我が子でもあるカストルの死を悲しむと共に、兄を慕うポルックスの心に打たれ、その願いを叶えてやります。

こうして二人は一緒に夜空にのぼり、ふたご座となったと伝えられています。
ふたご座のα星はカストル、β星はポルックスと名前が付けられていて、冬の夜空に仲良く並んでいるのが見られます。

また、レダはゼウスとの間にポルックスを、スパルタ王との間にカストルを産んだとも言われていて、このため、ポルックスは不死の体をもっていたともされています。

やはりカストルは戦場で重症を負いますが、ポルックスがカストルと運命を共にしようとしたとき、ゼウスはポルックスの不死の力の半分をカストルに与えます。
そして、ふたりは一緒に、生涯の半分は天で、半分は黄泉の国で暮らさなければならないことになり、半年ごとに天と冥界を行き来しているとも言われています。
(1日ごととも、半日ごとなども言われています)

ところで、ふたご座はもっとも古くから知られている星座のひとつでもあって、古代バビロニアの時代には「大きな双子」と呼ばれていたと言われています。
その神話では、最高神・マルドゥクと知恵の神・ナブーの姿を表わしているとも言われています。

時代が下ったローマ時代では、ふたご座は船の守り神としてもとらえられています。
海で嵐にあったとき、マストの先に「セント・エルモの火」という、火が燃えているように見える現象(静電気による現象と言われています)は、ふたご座が起こしているもので、これが見えれば嵐は治まると信じられていました。


このページの先頭へ