星座図鑑・はと座の神話・伝説

はと座の神話・伝説










ノアの方舟に乗り込む動物たち
(ヤコポ・バッサーノ)


はと座のモデルは、旧約聖書にある、ノアの箱舟に登場する鳩だと言われています。

この絵では、さまざまな動物たちが箱舟に乗り込んでいる様子が描かれていて、左下には鳩も描かれています。

ノアにオリーブの小枝を届けた鳩

はと座は、オリオン座の足元に見えるうさぎ座の更に南に見える、冬の星座です。
3等星以下の星々から出来ているうえ、南の空の低いところにあるので、見つけにくいかもしれません。

このはと星座はプトレメウスの星座ではなく、1603年、バイエルによってつくられ、後iになって、フランスのロワイエによって採用された星座です。

ですから、伝わっている物語もギリシャ神話ではなく、旧約聖書の創世記から物語られています。

創世記のお話には、ご存知のように「ノアの箱舟」の物語がありますが、はと座のモデルになっている鳩は、ノアの洪水の時に出てくる鳩とされています。

神・エホバ(ヤハヴェ、ヤーべ)は、人々が堕落していく様を見て、一度世界を壊してしまい、新たに世界を造りなおそうと考えました。
しかし、ノアの一家だけは誠実で勤勉な生活をしていたので、神はノアにその事を告げてあげます。
「やがて地上は大きな洪水によって、全てが水浸しになってしまう。お前は大きな箱舟を造って家族と一緒に乗り込み、水が引くまでの間、その箱舟で生活しなさい。そして、箱舟には全ての動物をひとつがいずつ乗せておくのも忘れてはいけない。」

ノアはこの言葉を守り、大きな箱舟を造り、家族のほかに全ての動物をひとつがいずつ箱舟に乗せました。

やがて地上は大きな洪水に襲われ、全ての人々は水に呑まれてしまいます。
ノアは、箱舟のおかげで、どうにかこの難を逃れることができましたが、40日の間、水は一向に引く気配がありません。

そこで、ノアは一羽のカラスを放ってみましたが、何の反応もありません。
次には一羽の鳩を放ってみましたが、やはり疲れて飛びかえってきただけでした。

しかし、もう一度鳩を放つことにしました。
飛び立った鳩は次の日も、そして次の日も帰ってくることはありませんでした。
しかし、7日後、鳩は一本のオリーブの小枝を咥えて帰ってきました。

これを見たノアは大変喜び、水が引いたことを知ることが出来ました。
このオリーブの小枝を咥えて帰ってきたはとが、はと座となって夜空に描かれています。

その後、ノアは懸命に箱舟を漕いで、やがて陸地にたどり着くことが出来ます。
この時たどり着いたところが、現在のトルコとアルメニアの国境にあるアララト山だと言われています。

また、はと座の東にはアルゴ座(アルゴ船座)と呼ばれる船の姿を描いた星座がありましたが、現在では、りゅうこつ座、ほ座、らしんばん座、とも座という四つの星座に別けられています。
このアルゴ座をノアの箱舟に見立てて、その隣に、箱舟物語に登場するはとの星座が作られたとも言われています。

しかし、この鳩は、アルゴ遠征の冒険物語に登場する鳩だとも言われています。

アルゴ遠征隊の物語は、ギリシャ神話で伝えられる物語ですが、その冒険の途中、船(アルゴ号)が難所を通り過ぎるのに、手助けをした鳩がモデルだと言われています。

この冒険物語は少し長くなるので、「アルゴ遠征隊の神話」を参考にしてください。


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