おおいぬ座 (Canis Major) 探し方・見つけ方 冬の夜、南の空にひときわ明るい星が輝いていますが、この星は全天一明るい星・シリウスです。 「シリウス」はギリシア語で「焼きこがすもの」というような意味ですが、おおいぬ座の探し方はこのシリウスを目印にすることで、シリウスは大犬の口元辺りに位置しています。 シリウスは全天21ある1等星の中でもっとも明るく輝いている星で、その明るさは-1.5等星、普通の1等星のおよそ2.5倍も明るく見えるので、すぐに見つけることができると思います。 シリウスを見つけにくいときは、オリオン座のベルトにあたる三つの星を左下にたどると、青白く輝く明るい星にあたるので、これがシリウスです。 また、シリウスはオリオン座のベテルギウス、こいぬ座のプロキオンと共に「冬の大三角形」を形づくっているので、こちらからも探し出すことができると思います。 おおいぬ座は、このシリウスを口元にして、三つの星が顔をつくっていて、オリオン座の左下に頭を上にした立ったような姿で描かれているので、上の星座図などを参考にして、全体像をとらえてみてください。 概要 おおいぬ座は、プトレマイオスの48星座のひとつにもなっている星座ですが、おおいぬ座で目に付くのは、何と言っても、全天でもっとも明るく輝いているα星のシリウスです。 その為、古くから世界各地で注目を集めていて、古代エジプトでは、ナイル川の氾濫を示す大切に星として扱われていました。 しかし、シリウスは全天で一番明るい星という事ではありません。 シリウスが明るく見えるのは地球からの距離がおよそ8.6光年と近い距離にあって、太陽からは6番目に近い恒星であることによります。 一方、地球から眺めると太陽に次いで明るく輝いて見えますが、実際は、シリウスは太陽の約40倍程の明るさで輝いています。 ところで、シリウスには8.5等の小さくて暗い伴星があることが知られていて、シリウスA、シリウスBのふたつの星からなる二重星になっています。 この伴星(シリウスB)の大きさは地球の2倍程ですが、太陽と同じ程度の重さがあります。 一生の終わりを迎えた星で、2番目に発見された白色矮星ですが、残念なことに、主星(シリウスA)との距離が近く、光度差も大きいことから、小さな望遠鏡では見ることはできません。 また、おおいぬ座には幾つかの星団などがありますが、M41はおおいぬ座の中では明るい星団です。 中心付近には赤っぽい色の星が見える散開星団で、シリウスより4度ほど南に位置しています。 視等級は4.6等ですが、小型の望遠鏡でも楽しむことができます。 神話・伝説 シリウスは全天一明るい星であることから古くから注目されていましたが、ここに「いぬ座」として星座が描かれるようになったのは、紀元前300年頃と言われています。 「おおいぬ座」と呼ばれるようになっのは、中世の頃、アラビアに伝わってからですが、おおいぬ座については、ギリシア神話などでもその物語が伝えられています。 もっとも広く伝えられているのが、ギリシア神話に登場するオリオン(オリオン座)が連れている猟犬です。 おおいぬ座は、ちょうどオリオン座の隣にあって、こいぬ座と共に、オリオンがいつも狩りに伴っていた猟犬だと言われています。 しかし、おおいぬ座については幾つかの伝説があって、フェニキア王カドモスの孫・アクタイオンを襲った猟犬だとも言われています。 また、おおいぬ座のモデルになっているのは、アテネ王・イカリオスが飼っていたメーラだとも言われています。 メーラはイカリオスによく従った忠犬で、イカリオスが亡くなった後もその墓から動こうとせず、イカリオスの後を追うように死んだと伝えられています。 更に、おおいぬ座は猟師・ケファリスの猟犬レラプスだとも言われています。 レラプスは優れた猟犬で、駆けるのも大変速く、どんな獲物も決して逃さなかったと言われています。 中でも、もっとも速いキツネを捕まえたことから、星座として天に上がったと伝えられています。 この他、おおいぬ座は、近くにあるこいぬ座と共にひとつの物語としてとらえられることが多いようです。 「おおいぬ座の神話」へ このページの先頭へ |
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