星座図鑑・うしかい座

うしかい座


           
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△上の図は昇る頃 (3月下旬21時頃・2月上旬0時頃・12月下旬3時頃、東京近郊)

拡大図
       

名 称 うしかい
学 名 Bootes
略 符 Boo
概略位置 赤経・14h35m / 赤緯・+30°
概略面積 907平方度
20時南中 6月26日
南中高度 約85°
設定者 プトレマイオス
隣接する星座 おおぐま座・りょうけん座
・かみのけ座
・おとめ座・かんむり座
・りゅう座・
ヘルクレス座
・へび座

うしかい座 (Bootes)

探し方・見つけ方
うしかい座は春の宵頃、北の空に見えますが、その姿は、こぶしを振り上げた形で描かれています。

うしかい座の探し方のポイントは北斗七星からたどることがもっとも簡単で、柄の部分を、その曲がり具合に沿って伸ばしていくと、オレンジ色に輝く明るい星に出会います。
この星は、うしかい座のα星・アークトゥルスで、ここから、ネクタイのような形に星が並んでいるのが、うしかい座です。
アークトゥルスは全天でも3番目に明るい星で、春の夜空ではもっとも明るく輝いているので、すぐに見つけることができると思います。

また、北斗七星からアークトゥルスへと伸びる曲線は、おとめ座のスピカを通って、からす座まで延びる曲線となって、「春の大曲線」と呼ばれている大きな曲線を描いています。
うしかい座は形も整っている星座のひとつで、アークトゥルスは「春の大三角」も形づくっているので、ぜひ探してみてください。


概要
α星・アークトゥルスは、うしかい座の中ではもっとも明るい恒星で、全天に21ある1等星のひとつです。
このアークトゥルスとおとめ座のα星・スピカ、しし座のβ星・デネボラで、「春の大三角」を形づくっていることからも、うしかい座はよく知られています。

日本では、アークトゥルスが麦の刈り入れ時、春の宵頃に輝くことから、「麦星」の名で呼ばれていましたが、うしかい座のアークトゥルスと、おとめ座のスピカはそれぞれ1等星で、仲良く夜空に並んでいる様子から、日本ではこのふたつを「春の夫婦星」とも呼んでいました。

また、アークトゥルスはギリシア語で「熊の番人」という意味ですが、この牛飼いが誰なのかははっきりしていません。
しかし、アークトゥルスは、隣の大熊(おおぐま座)を追い立てて春の夜空を回っているようにも見えることから、その名前が付けられたと言われています。

現在使われている星座絵では、うしかい座は、おおぐま座とは反対の方向を向いていますが、かつては大熊の方を向いている姿で描かれていました。
これは、元々はおおぐま座の一部だったりょうけん座を、1687年頃に、ポーランドの天文学者・ヘべりウスが、新しく設定したことによるものです。

ヘべりウスは、牛飼いが連れていたと思われる2頭の猟犬を独立させて、この星座を設定したとされています。
その後、うしかい座は現在のような星座絵で描かれるようになったと言われていますが、成る程、猟犬を従えた牛飼いが、隣の大熊を追い立てているようにも見えます。

あと、ε星のイザールは、うしかい座で2番目に明るい恒星で、2等星と5等星からなる連星です。
また、τ星も連星あることが知られているほか、春の大三角形に、りょうけん座のα星・コルカロリを加えた四角形は、「春のダイヤモンド」と呼ばれているので、うしかい座を見つけたら、一緒に探してみてください。


神話・伝説
うしかい座は、紀元前1200年頃には既に知られていた古い星座です。
それだけに、うしかい座についての神話も、いくつか伝えられています。

しかし、ギリシア神話では、うしかい座のモデルになっているのは、天空を支える巨人アトラスだとも、ディオニュソスからブドウ酒の製法を教わったアッティカ王・イーカリオスであるとも伝えられています。

また、うしかい座は、かつてはおおぐま座の方向を向いていたことから、実は、こぐま座のモデルにもなっているアルカスだとも伝えられています。
おおぐま座のモデルはアルカスの母・カリストだと伝えられていますが、訳あって、ふたりは熊の姿に変えられてしまいます。
うしかい座は、おおぐま座を追いかけるように回っていますが、これは母・カリストを、アルカスが熊の姿に変わる前の姿で、母を追いかけているのだとも言われています。

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