星座図鑑・おとめ座

おとめ座


      
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△上の図は昇る頃 (4月上旬21時頃・2月中旬0時頃・1月上旬3時頃、東京近郊)

拡大図
       

名 称 おとめ
学 名 Virgo
略 符 Vir
概略位置 赤経・13h20m / 赤緯・-2°
概略面積 1294.43平方度
20時南中 6月7日
南中高度 約51°
設定者 プトレマイオス
隣接する星座 うしかい座
・かみのけ座・
しし座
・コップ座
・からす座
・うみへび座・
てんびん座
・へび座

おとめ座 (Virgo)

探し方・見つけ方
春の夜、南の空に見えるおとめ座は黄道12星座のひとつにもなっていて、紀元前3200年頃には既に知られていた古い星座です。
正義の女神・アストレア、或いは豊穣の女神であるデーメーテルの娘・ペルセフォネの姿で描かれていて、1等星のスピカがあることでもよく知られています。

おとめ座の探し方は「春の大曲線」から見つけ出すのがもっとも簡単で、おとめ座のα星・スピカは、春の大曲線を形づくっているひとつです。
この春の大曲線の見つけ方は、北斗七星のひしゃくになっている柄の部分を、その曲がり具合に沿って伸ばしていきます。
すると、明るい赤っぽい星にあたりますが、この星は、うしかい座のアークトゥルスです。

この星から更に曲線を延ばして行くと、青白くて明るい星に出会います。
これが、おとめ座のα星・スピカで、北斗七星、アークトゥルスと共に、春の大曲線を形づくっています。

おとめ座は、全天88星座の中でも、うみへび座に次いで2番目に大きな星座ですが、星の数が少なく、形をたどるのは少し難しいかもしれません。
しかし、スピカは「真珠星」などとも呼ばれている目立つ星なので、ここから上の星座図などを参考にして形をたどれば、おとめ座全体の姿をとらえることができると思います。

また、スピカは、うしかい座のアークトゥルス、しし座のデネボラと共に「春の大三角形」も形づくっているので、こちらから探し出すこともできます。
おとめ座は、この春の大三角形に囲まれた広い場所に位置していて、左手に麦の穂(スピカ)を持っている姿で描かれています。
それをイメージしながら星をたどるようにすれば、全体の姿が浮かび上がってくると思います。
最初は難しいかもしれませんが、一度形をとらえたら、次からは意外と簡単にその姿を描くことができると思います。


概要
おとめ座は黄道12星座になっているほか、春の大曲線も形づくっている星座なのでよく知られていますが、同じ春の大曲線を形づくっている、うしかい座のアークトゥルスと、おとめ座のスピカは、よく目に付くこともあって、このふたつの星を「夫婦星」などと呼ぶこともあります。
また、おとめ座は全天で2番目に大きい星座ですが、おとめ座は黄道と天の赤道が交わるところに位置しています。

ところで、おとめ座を形づくっている星の数は少ないのですが、おとめ座の付近は、銀河が多いことでも知られています。
ここにはおよそ2500個もの銀河集まっているとも言われていて、「おとめ座銀河団」と呼ばれています。
これは、天の川から離れている為、銀河系の光や星間物質などに遮られることがなく、銀河系の外側まで見ることができるからです。

地球に一番近い銀河団でも5900万光年ほど離れていますが、比較的小さな望遠鏡でも、10個程度の銀河を見ることができます。
その中のひとつ、 楕円銀河M87は、その中心に超巨大なブラックホールがあると考えられています。

また、スピカの西にあるM104はソンブレロ銀河と呼ばれていて、その姿は、メキシコなどで見かける、ソンブレロという帽子の形によく似ています。
この銀河は明るい銀河で、渦巻銀河を横から見た形をしていますが、中央には黒い帯が横切っていて、全体に特徴のある姿をしています。

ところで、おとめ座の1等星・スピカはひとつの星のように見えますが、実際は「近接連星」と呼ばれているもので、主星と伴星からなっています。
更に、主星は四重の連星からなっていて、スピカ全体では五重の連星系を構成していると考えられています。

それと、スピカは現在の秋分点近くにありますが、「スピカ」とはラテン語の「穂先」・「(穂先のように)尖ったもの」という意味で、この星がおとめ座が持っている麦の穂先に位置していることから名付けられています。


神話・伝説
おとめ座は古くから知られていた星座で、ギリシア神話でも幾つかの神話が伝えられています。
ひとつは正義の女神アストレアと言われていて、彼女がもっていた天秤は、てんびん座になっていると言われています。
また、おとめ座は左手に麦の穂をもって描かれていることから、おとめ座のモデルは豊穣の女神であるデーメーテルの娘・ペルセフォネ(ペルセポネー)であるとも伝えられています。

ある日、ペルセフォネは野で花を摘んでいましたが、その美しい姿を冥界の神・プルトーン(ハデス)が認め、冥界へと略奪してしまいます。
悲しむデーメーテルは、ゼウスの手助けもあり、どうにかペルセフォネを連れ戻しますが、ペルセフォネは冥界でザクロの実を食べてしまっていました。
このザクロは、二度と地上の人間のようには戻れないというザクロで、ペルセフォネは1年の内、4ヶ月は冥界に戻らなければならないことになりました。

おとめ座のモデルは、このギリシア神話に登場するペルセフォネとも言われていて、ペルセフォネがいない間、つまり、ペルセフォネが冥界にいる間(おとめ座が見えない間)の4ヶ月は、穀物が実らない季節(冬)になったのだとも伝えられています。

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